氏岡 真弓 著「先生が足りない」(岩波書店)

氏岡 真弓 著「先生が足りない」(岩波書店)

非正規教員が足りず、授業に穴が空く学校がある。
公教育が崩壊しつつある現状を捉えた内容。
あまり注目されていない非正規教員の増加要因を、規制緩和論などの大本のところから追っています。

うちの町でも、育休の穴が埋まらず、教頭先生が授業をしたという話を聞いたことがあります。

また、非正規教員は、他の非正規職と同様に、低賃金、単年度更新という不安定さがあります。

非正規教員が増加し、不足している理由としては

  • 規制改革による、正規から、非正規への移行
  • ベテラン職員の大量退職に伴う、新規採用増加により、非正規職員のなり手の減少
  • 若手職員が増えた事による、産休・育休取得率の増加
  • 多忙な現場のため、病休が増加
  • 多様なニーズに応える特別支援学級導入増
  • 免許更新制度導入による、免許失効
  • 更なる少子化を見据えた、教員採用の抑制
  • 民間企業との比較で選ばれなくなっている

などがある。

ちなみに、将来少子化するだろうから、今の教員採用を抑制するという考えは、ダメすぎ。今の子どもの学習機会を奪うことが、どれだけ罪深いか考えないといけない。もっとも、予算の問題もあるので、それ一つを取り出して非難できるかというと、難しいところだけど。

あと、保護者や地域、議会との関係。
教員不足を明らかにしない理由として、議会で追求されることがあるという。教育委員会の意識の問題だけではないので、追求したところで解決できないし、やる気を削ぐことになる。議会で取り合えるなら、その点を踏まえて対応する必要がある。

また保護者や地域に現状を明らかにして、協力を求めることも必要だと思う。これも、学校単位や教育委員会でなんと名出来るレベルを超えているので、問題を共有化して、そこから再構築を図ることが一つの方法だと思う。

で、一番の問題が国の対応。
文科省は #教師のバトン で魅力発信を図ろうとしたが、現状の問題が吹き荒れた。それは当然だよね。個人の意識の問題で解決できることではないので、国家百年の計と考えて、しっかりと根本から考えて欲しい。

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