2025年3月議会 一般質問①「酒々井町の歴史的資源について」
2025年3月議会 一般質問①「酒々井町の歴史的資源について」
酒々井町は、旧石器時代から現代まで、歴史の表舞台に立ち続けてきました。
長い歴史があり、多くの歴史的資源が町に存在しています。
近年は、本佐倉城や墨古沢遺跡に多額の予算が注ぎ込まれており、問題があると考えていますが、しっかりとした調査研究が必要ですし、また後世に残すために保存も必要です。そこで、清光寺をはじめとする、酒々井町の歴史的資源について確認しました。
Q 徳川清光寺資料の調査研究について、2月15日に町主催の報告会があった。町民の関心の高い分野でもあり、当初予定の定員を超える60名近い参加という大盛況であった。まだ資料の5分の1ほどしか調査できていないとの事であったが、今後も調査研究は継続する方針なのか。
A 今回の報告会を通して、多くの方々が、町の歴史や清光寺の歴史に興味・関心を持たれていることを実感したところです。今後も調査研究については、淑徳大学と連携を図りながら継続してまいりたいと考えております。
Q 令和5年度に策定した「歴史的建造物利活用計画」に基づく、町内の歴史的建造物の利活用について、現在の利用状況と今後の計画はどのようになっているのか
A はじめに、旧相川邸につきましては、令和6年8月22日から令和7年2月17日までの間、トライアルサンディングによる事業者の募集を行い、その間、1件の施設利用の問い合わせがありましたが、利用にはいたりませんでした。町といたしましても、今後、具体的な利活用方法を検討する上でも、トライアルサウンディングなどを通じた市場性やニーズなど、民間業者などからの意見の把握が必要と考えておりますので、再度募集を行うなどの検討をしております。
次に、旧莇邸につきましては、土蔵の修繕などを含め、まだ整備が進んでいない状況でございます。このため、施設の公開やサウンディング調査、また旧相川邸のようにトライアルサウンディングなどを通して、旧莇邸の市場性や事業性、収益性などの検証を図った上で、具体的な活用方法を検討してまいります。
なお、旧莇邸は現在、電気・トイレなどの設備がない状況ですが、町の重要な文化資産でありますので、一般の方々にも広く集中を図りたいと考えております。
そのため、旧莇邸住宅にある調度品や開設パネルなどを展示した施設見学会の開催を検討しております。Q 利活用するためには、まず保存が必要である。開発に伴い発掘された史跡や拾遺物の保存は、どのようにされているのか。保管場所は十分足りているのか。
A 一部は本佐倉城跡調査事務所に保管してありますが、そのほとんどが生涯生活センター敷地内にある文化財倉庫に専用コンテナに収納された状況で、遺跡ごとにまとめて保管してあります。令和7年3月現在、文化財倉庫には1,792箱の専用コンテナが収容されています。収納率は約90%です。まだすぐに満杯になるということはありませんが、建物の老朽化も進んでおり、次の収納先について検討していくことが今後の課題になっております。
Q 調査報告書は、図書館で閲覧することが出来るが、情報を広く社会に伝えるために、オンラインで公開することは考えていないのか。
A 現在、国の機関をはじめ、全国的に発掘調査報告書の利活用に向けた電子化オンライン公開が進められているところではあります。町におきましても、行政サービスのデジタル化が積極的に進められていくところでもあり、関係各課と相談しながら、公開に向けて検討していきたいと考えています。
徳川清光寺資料の調査研究の報告会に参加しましたが、ワクワクしながら報告を聞いていました。古文書が展示されていて、手で触ることもできて、一枚一枚の紙の感触を味わうことが出来ました。なかなかできることではなく、本当に貴重な体験です。徳川清光寺資料の調査研究は、是非継続していただきたいと思います。


酒々井は、旧石器時代から始まり、縄文時代、奈良、平安時代、鎌倉、戦国、江戸時代と、本当に長いながい歴史の積み重ねがあります。そして、これらの時代の貴重な遺跡や出土品などがあります。例えば、「尾上木見津遺跡出土の「奈良二彩椀」」は、町の資料によれば「二彩椀の完形品が発掘されたのは日本初の例です。二彩椀は正倉院に伝世品が収められています」と、非常に貴重な発見だと分かります。

酒々井町HP「尾上木見津遺跡と二彩椀 – 印旛郡」より
こういう貴重な遺跡や出土品を、調査・保存するだけでも費用がかかります。
活用しようとすれば、更に費用がかかります。
まずは、費用があまりかからない、資料のオンライン公開や講演会の動画配信を進めるべきだと思います。
調査・保存をしっかりとやって、今残っている歴史的資産を後世に伝えることが、現代に生きる私たちの責任だと思います。しかし、保存、活用に多額の費用がかかる場合は、どこまでやるのかを考える必要があります。
行政報告において、墨古沢遺跡のガイダンス施設は計画が休止されるという発表がありましたが、町の財政を考えれば当然の結果だと思います。
旧莇家住宅の壁の修理について、物価高騰や職人が集まらないということで、予算が次年度に繰り越しされ、工事内容も見直しが予定されています。「歴史的建造物利活用計画」によれば、旧莇家住宅の利用には、最小限の改修でも6000万かかると試算されています。これだけの費用を費やす必要があるのか、これについても計画を見直す必要もあるかもしれません。
歴史的資源をどうやって後世に伝えるのか。
住民福祉が優先しますし、予算の限りもあるところなので、しっかりと考える必要があると思います。