0日児の死亡の問題について : 子ども虐待による死亡事例等の検証結果等のデータを元に【X(旧Twitter)投稿まとめ】
昨年4月に、自宅出産の赤ちゃんが亡くなった事件についてX(旧Twitter)に投稿しました。
これについていろいろご意見を頂いたのですが、女性・母親の個人的責任を追及するのみでは、状況を改善することが出来ないと考えているため、下記のTweetをしました。
このあたりのことについて、まとめをしていなかったので、このブログに内容を転記してまとめていきます。
いつまで、自宅出産で赤ちゃんが死亡した件で、女性をすぐに逮捕する運用を続けるのだろう。
まずは、赤ちゃんを死なせてしまった女性への身体的・精神的ケアが優先されるべきでは?
女性の刑事責任を追及するよりも
・救える命を救えなかった、福祉の失敗
・望まぬ妊娠を防げなかった、政策の失敗
・自宅出産になってしまったことも含め、妊娠させた男性にも大きな責任
を真剣に考えない限り、繰り返されてしまうと思う。
いい加減に、赤ちゃんが亡くなったことを、女性個人に責任を押しつけて、社会や男性は何も責任ありません、という考えは止めて欲しい。
「この母親を罰するべきだ!」というのは、個人責任追及。
これでは、次に生まれてくる子は救えない。
子ども救いたいなら、同じくらいの熱意を持って、「次に生まれてくる子は、絶対に助ける!」と、社会政策の充実を図れと声を上げることが大事だと思うのだけど。
そこが伝わらないのかな?
赤ちゃんを殺すなんて酷い、母親の責任を追及すべきだと考えることは自然な感情だと思います。
しかし、個人の責任を追求しても、同じような事件が起きてしまう。
そのため、根本的なところから変える必要がある。
「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について 17次報告」によれば
https://mhlw.go.jp/content/11900000/000825392.pdf
第1次からの、心中以外の児童虐待死の総数は 890人
0歳児は、423人(47.5%)
0か月は、191人(21.4%)
0日は、165人(18.5%)
0日の死亡が、非常に多いことが分かります。


0日の出産場所は、
自宅 111(74.0%)
自宅外 39(26.0%)
医療機関 0(0%)
※出産場所不明は割合に入れず。
これを見れば、心中以外の虐待死の2割弱を占める0日の死亡は、すべて医療機関外での出産だと分かります。
日本での出産は、医療機関が99%を占めることを考えれば、異常です

また、17次のデータによれば、0日児の死亡9人のうち
予期しない妊娠/計画していない妊娠 4人(44.4%)
母子健康手帳の未発行 9人(100%)
妊婦健診未受信 8人(88.9%)更に、相談機関の関与は、ほとんどありません。
検診も相談も出来ないくらい追い詰められた状況だったと分かります。


その背景は様々だと思いますが、ここまで共通姓が見いだせるなら、個人の責任ではなく、福祉や政策の失敗だと捉える方が自然だと思います。
望まぬ妊娠を防止するための、緊急避妊薬の薬局販売、特に男性への性教育の充実などの対応が必要です。
また、望まぬ妊娠をさせた事に対して、男性へのペナルティーも考える必要があると思います。
今は、男性の責任が軽すぎて、避妊に非協力的でも男性は何ら痛痒を感じないから、望まぬ妊娠が生じてしまうと考えれらるためです。
それから、女性だけで中絶が可能なように、配偶者同意の撤廃も必要だと思います。
男性に出産の責任を負わせるならまだしも、今は女性が出産の責任を一身に背負っています。
責任を負わないはずの男性が決定権を持っていることは、明らかに不公平です。
また、気軽に相談しやすい環境整備や経済的支援の充実も不可欠です。
「相談してください」ではなくて、「国が妊娠出産について全て責任を持って支援するから安心してね」、というくらい手厚くする必要があると思います。
このあたりは、支援が手厚い他国を見習って欲しいですね。
他にも色々な施策があると思いますが、すぐに思いつくのはこれくらいですね。
様々な施策を組み合わせることで、望まぬ妊娠を減らし、妊娠の不安を取り除き、安心して相談ができて、医療機関での出産に繋がると思います。
その結果、0日児の死亡事例を減らすことが出来ると思います