『正社員化要求したら「強要未遂」!? 「関西生コン事件」に見る労働三権の危機』を読んで感じる危機感

正社員化要求したら「強要未遂」!? 「関西生コン事件」に見る労働三権の危機


事件の舞台になった生コン会社(撮影:北健一)

記事を見ている限りだと、警察が介入する事案ではないように感じる。

記事のケースは、実質的には労働者だが契約上は請負という、偽装請負の事案のよう。
日本では、労働基準法上の労働者に対する義務を放棄したい会社が、形式上請負とする脱法行為が横行している。
本当は、行政や司法が是正しなければいけないのだが、残念ながらそれができてない現状がある。

それはさておき、今回は労働組合法の問題。
労働組合法上の労働者は、労働基準法上の労働者よりも範囲が広い概念であるから、請負であっても、要件を満たせば労働組合を通じての交渉は認められる。
従って、警察は請負だからという形式的判断をせずに、実質的な判断をして、労働組合法の適用がないかを適切に判断しなければならない。
そして労働組合法の適用が認められれば、「労働組合の団体交渉その他の行為であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて」は刑事免責される(労組法1条2項)がめ、正当性のある行為かの判断をさらにしなければならない。

ところが、今回の記事を読む限りだと、警察は請負だから労働組合法の適用はないと形式的判断をしているように感じる。
逮捕・勾留の判断をする裁判所は、令状自動発券機と言われるほどチェック機能が失われているため、警察による労働権侵害を排除できていない。

労働権は、憲法にも規定された大切な権利。
今回のような警察による労働組合の弾圧事例を許すことは、今後同じような事が行われる可能性が高い。

無関心でいることなく、多くの人が注視していく必要がある。

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