2026.2.27 立憲民主党 自治体議員ネットワーク「今後の立憲民主党を考える意見交換会」に向けて提出した意見

3/1に、立憲民主党 自治体議員ネットワーク「今後の立憲民主党を考える意見交換会」が開催されることとなり、意見募集がありました。それに向けて書いて提出した意見です。

中道が大敗しましたが、当然の結果だと思います。

勝てる要素はどこにもなく、負ける要素しかありませんでした。

1.ジェンダー平等や社会を変えたいという有権者の意識に対する無理解

高市総理が支持された理由の一つとして、女性のリーダーであったことがあると思います。

初めての女性のリーダーであることは、社会を変えるというシンボル的存在となり、人々は自らの想いを投影する対象として支持しました。

立憲民主党は、ジェンダー平等をずっと言っています。

しかし、代表はずっと男性であり、しかも2024年からは野田佳彦さんでした。

10年も前の元総理という古い価値観の象徴であり、社会を変える顔ではありません。

党首の顔という点では、全く相手になりませんでした。若者からすれば、最初から見向きもされない存在であったと自覚すべきだと思います。

代表を選ぶ際に、過去の実績を重視すると、どうしても「ベテランの男性」となりがちです。

しかし、「ベテランの男性」を選ぶ方が安心するという価値観が、単なる思い込み、偏見ではないかと疑うことも必要だと思います。

社会を変えるという政党の顔であるならば、当然、女性を選ぶという選択肢が有力であるはずです。

そして、政権交代を狙う政党がジェンダー平等を言うならば、まず隗より始めよと、代表は女性を選ぶべきでした。ところが、立憲民主党では、女性の代表を生み出そうという機運が生まれませんでした。結局、立憲民主党は、おじさん政党のまま変わることができなかったのだと思います。

新しい政党を立ち上げるならば、時代を変え、一致団結するための新しい顔を選び、総選挙では、よりリベラルな感性を持った女性総理大臣誕生を旗印に戦うことも可能でした。経験不足というならば、ベテランの男性がきちんと支えれば良いだけの話です。しかし、共同代表は、いずれも高齢男性でした。

立憲民主党も、中道も、古い偏見に囚われてる集団から抜け出すことが出来ませんでした。

まずは、自らが偏見に囚われているのではないかと、一人ひとりが自らの価値観を考え直す必要があると思います。

それが日本社会を変えるための第一歩だと思います。

2,プロセスの軽視

今回の中道の立ち上げは、一部の人間のみで決められ、ほとんどの人は寝耳に水であり、不意打ちでした。高市総理の解散を不意打ちだと非難するならば、中道の立ち上げも、不意打ちだと非難されるべきだったと自覚してください。

民主主義は、多様な意見が出される議論により、熟慮を重ねて進められます。もちろん場合によっては、勢いで進むことも必要ですが、プロセスが無視されて良いわけではありません。

衆議院選挙直前に不意打ち的に出されたため、候補者たちは熟慮する時間も無く参加を余儀なくされました。判断する材料も、熟慮する時間も与えずに決断を促すことは、民主主義で取り得るべき方法ではありません。また、そのような姿勢は、ボトムアップの理念に共感し、立憲民主党を支持してくれていた支持者への裏切りです。

何より、プロセスを無視して、一部の人間だけで決めたことに突き進むことは、民主主義の否定であり、独裁政治の始まりに繋がる危険性があったと気がついてください。

3.政策変更による、野党共闘の否定とリベラル層の切り捨て

中道の立ち上げによる、安保法制容認、保守的な立ち位置への転換により、安保法制反対を中心にまとまった野党共闘は完全に崩壊し、立憲民主党のコアの支持者であったリベラル層は切り捨てられました。この政策転換は、大きな問題であったと思います。

もっとも、この政策転換は、いきなり出てきたことではありません。

2024年の立憲民主党代表選挙により、野田さんが選出されたときに、すでに立憲民主党の方針は転換されていました。野田さんは、安全保障では党が基本政策に掲げる「安保法制の違憲部分の廃止」をトーンダウンされ、党綱領に明記されている「原発ゼロ」は「封印」し、「リベラルな方向と仲良くやりすぎているのではないか」「立民を特徴付けてきたリベラル色を薄め、穏健な保守層へ支持を広げる」と述べています。

このとき既に、立憲民主党の方針は、リベラル色を薄め、自民党を支持してきた穏健な保守層へ支持を広げる方向に政策転換を図りました。また、共産とは「一緒に政権を担えない」とも明言し、野党共闘の基盤を自ら破壊しました。

もっとも、2024年衆議院選挙は、裏金問題により、結果的に、石破政権を過半数割れに追い込みました。この成功体験が、安保法制の見直し、リベラル層よりも穏健な保守層の取り込み、野党共闘は不要という、今回の中道結成に繋がったのかも知れません。

野田さんの方針は一貫しており、リベラルと見られることを嫌い、保守的な立ち位置をとろうとしています。野田さんからすれば、当時の代表選挙で言ったことを、そのまま新党という形で実現しただけなのでしょう。

保守的な立ち位置には、自民党があり、立憲民主党に近かった国民民主党もいます。保守的な立ち位置の方が、敢えて中道を選ぶ必要はありません。

もちろん、党の代表が社会を変えるシンボル的存在であり、政権選択の選挙だということならば、違ったかも知れません。しかし、中道の共同代表はいずれも高齢男性であり、社会を変えるシンボルにはなり得ません。そもそも、立憲民主党の代表選挙2024において、野田代表は、「安倍元総理と約束した議員定数削減も今度こそ実現」と10年も前の話を蒸し返してるように、未来ではなく、過去を向いています。また、こんなこと言うなんて、いきなりの解散で、民主党政権を崩壊させたことの反省はないのだと感じていました。このような人を代表に掲げているのですから、社会を変える政党だと認識されなかったのはむしろ当然です。

結局、今回の中道の立ち上げによる、野田さんを代表に選んだことによる、野党共闘の否定とリベラル層の切り捨てを認めにあったのだと思います。

なお、方針の切り替えにより、国民民主党や維新の会との共闘を模索したのかもしれません。しかし、両党は立憲民主党党の差別化を図ることで、独自性を維持し、支持を集めてきた政党です。また国会の枠組みでも、立憲民主党と協調することで埋没するより、与党と協力して成果を主張することを続けていました。立憲民主党と共同歩調を取ることは、党勢拡大を自ら放棄することであり、難しいことだと分からなかったのでしょうか。

4.公明党票への過度の期待

今回の中道の結成及び比例区の公明党優遇は、公明投票が上乗せされれば、小選挙区で勝てるとの見込みがあったのだと思います。

しかし、上記に述べたように、党首としての顔で劣っており、無党派層からの支持は望めません。政策については、路線転換により今での支持者を切り捨てました。そして掲げた政策は現実路線と言えば聞こえが良いのでしょうが、実際は既定路線の踏襲であり、新規性は全くなく、新しい有権者を取り込む魅力は全くありません。そして、野党共闘は機能せず、候補者は乱立しました。このように、基礎票が減る要素しかないのですから、公明党の票が乗っても勝ち目のない戦場を自ら作り上げてしまいました。公明投票への過度の期待から、目がくらんでしまったのだと評価することが出来ます。

そもそも、公明党票がそのまま増えると信じることは、公明党支持者の人格を無視した対応とも言えます。自公政権が長く続いていたからこそ、集まった票数であり、いきなりの立ち上げでは、同じ票は移動しません。また、得票数は、単なる無機質な数字ではありません。意思も感情もある人間が判断した結果が、数字となって現れたものが票数です。中道の立ち上げにより、公明投票が上乗せされるという期待は、公明党支持者は、右にならえとついてくる存在だと人格軽視しており、個人が尊重される一人の人間であるという根本的なところを無視しています。

党首が、公明党支持者の人権を軽視ているのですから、人権尊重をしてくれる政党だという期待をしようもありません。これで新しい有権者の支持が得られると思っていたのならば、勘違いも甚だしいと思います。

5.SNSでの惨敗

SNSは、今や主戦場です。ところが、ずっと立憲民主党は叩かれ続けました。特に、デマをもとにした攻撃にさらされ続けました。その結果、収益モデルとして、与党はポジティブな動画や書き込み、立憲民主党は叩くコンテンツが高収入を挙げるようになりました。近年の選挙見れば、都知事選挙、兵庫県知事選挙は情報の正しさや選挙の公正公平よりも、収益を得ることが目的化し、それが選挙の結果に繋がっています。

立憲民主党は、面白いコンテンツを作ることができず、ポジティブな内容は埋没していく一方であり、ネガティブな情報にあふれてしまいました。若者層での支持率が全くなかったのは、SNSの影響が非常に大きかったと思います。

これを打破するためには、各議員や各党員、支持者ではもう無理です。いかにSNSウケするコンテンツを作れるかということが重要であることから、しっかりと予算をつけて、SNS戦略を立てるべきでした。もちろん予算がなかったということもあるのでしょうが、あまりにも無策すぎました。SNSの影響について無理解な、おじさん政党だったということも大きいのだと思います。

そもそも、立憲民主党は、SNSでの「#枝野立て」から始まった政党です。SNSで支援者が増えていき、SNS上での活動を得意とする方も多かった立憲パートナーズも集まっていました。ところが、立憲パートナーズは結局、何をしたいの良いのか分からず、今では全く顧みられなくなってしまいました。

SNS対策をしっかりとすべきだった反省し、これからきちんと取り組むべきだと思います。

6.最後に

以上に述べてきたように、初の女性総理と、高齢男性という見劣りする党首の差で勝ちにくい選挙状況から、野党共闘の否定、従来の支持者の切り捨て、新規の支援者を取り込む魅力に欠ける党首と政策という、立て続けの失策により、今まで勝てていた選挙区も、勝てない状況を自ら作ってしまったのだと思います。

新しく再生するためには、ベテラン男性が良いという自らの偏見があるのではないかと自省すると共に、社会を変えるための党首とはどういう存在か真剣に考え、SNSなど新しい社会での対応をしっかりとして、何よりも、現実主義などと思考放棄するのではなく、10年後、100年後の日本のあたり方を見据えた綱領とはなにかと考えるべきだと思います。

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