酒々井町特定事業主行動計画・男性の育休取得について

令和2年9月議会一般質問

Q 管理職に占める女性職員の割合。
A 今年度の割合は20.8%。

Q 一般事務職とそれ以外(保育士、栄養士、保健師、歯科衛生士)とに分けた場合のそれぞれの割合
A 一般事務職での女性管理職の割合が4.5%
  女性管理職の割合は100%

Q 男性と女性の育児休業取得率
A 女性職員は延べ10名の職員が育児休業を取得し、取得率は100%。
  男性職員の取得率は0%

【 酒々井町特定事業主行動計画とは 】

酒々井町特定事業主行動計画とは、特定事業主とは国、地方公共団体などが、少子化対策のための次世代法と、女性活躍推進法により平成28年に作成したものです。
女性管理職の目標を20%としています

酒々井町の令和2年度の女性管理職は20.8%と、目標達成しています。
しかし、その内訳に着目すると残念な点があります。

一般事務職員での女性管理職の割合は4.5%と低く育児家事との繋がりの多い、保育士、栄養士、保健師などの一般事務職以外の割合は100%と、極端な偏りがあります

これは、家事育児は女性の役割というジェンダーバイアス(男女の役割についての固定的な観念)が幅をきかせているのではないかと考えられます。この点を踏まえて、更なる向上を目指してほしいと思います。

【 女性管理職割合が低いのはジェンダーバイアスのため 】

女性管理職割合が低いことは、いくつか理由が考えられますが、大きな要因としては、ジェンダーバイアスがあげられます。

近代日本の家族像は、主たる稼ぎ手の夫が長時間労働し、専業主婦の妻がパートで家計を支えるというモデルでした。

このため、育児子育てを担うため、短時間しか労働できない、残業できない女性は低評価となります。また、女性の仕事は、家計の補助的役割のため、最低賃金に近い低賃金のパート職が当たり前とされてきました。
このような男女の性的役割が分担されたことが前提とされる社会で働き続ける限り、女性の能力が公平に評価されることは難しいのです。

その結果、管理職になるのは男性が多くなり、男性の方が管理職に向いているという偏見が育まれてきました。

そして女性だけが家事育児をするという社会の考えのもと、女性は結婚・出産を機に一時退職を余儀なくされる。

復職するときは、非正規になるため、昇進の機会がない。

こういう悪循環が、女性の管理職登用を拒んできました。

そのために、男性が管理職に向いている、女性は育児家事をすべきであるというジェンダーバイアスを解消し、長時間労働を前提とした日本社会を変える必要があります。

専業主婦の存在を前提にした男性の長時間労働の働き方は世界的に見ても異常です

誰でも適切な賃金の労働ができ、家事育児をすることが当たり前だという社会を作ることが求められているのです。

【 男性の育休 】

女性も働きやすく、女性が管理職になりやすい社会を作るためには、男性も家事労働を負担することが当たり前になる必要があります。

そのために重要なのが、男性の育休取得です。

出産により身体に大きなダメージを受けているにもかかわらず、赤ちゃんの育児は休む暇もありません。

そのため、授乳以外の家事育児を男性が積極的に行う必要があるのです。

また、家事育児は女性の仕事という性別役割分担の考えを無くし、男性が育児、家事をする事が当たり前の社会ならば、男性も育休を取るのはおかしな事ではないはずです

ところが、酒々井町の職員の取得率は0%でした。

育休を取る意義についての理解がまだ足りないのではないかと思います。

【 子育てをしやすい社会のために 】

日本の子育て支援策が、実際のニーズとかけ離れているのは、女性政治家や女性管理職が少ないことが一因です。

平成27(2015)年に実施した「第15回出生動向基本調査」によれば、

「夫婦の予定子ども数が理想子ども数を下回る理由」としてもっとも多いのは、「子育てや教育にお金がかかりすぎる」が全体で5割を超え、30代前半は81.1%と高い割合です。

また、30代前半は
「自分の仕事に差し支える」が24.2%、
「これ以上、育児の心理的・肉体的負担に耐えられない」22.7%、
「夫の育児家事への協力が得られない」12.1%となっています。

図表 妻の年齢別にみた、理想の子ども数を持たない理由:
第15回調査(2015 年)(予定子ども数が理想子ども数を下回る夫婦)

また、「予定子ども数を実現できない場合の理由」は、
「年齢や健康上の理由で子どもができないこと」が最多です。
「収入が不安定なこと」25.8%、「夫の仕事の事情」20.4%、
「家事・育児の協力者がいないこと」14.4%、
保育所などの子どもの預け先がないこと14.0%、と続きます。

図表 妻の年齢別にみた、予定子ども数を実現できない可能性:
第15 回調査(2015 年)(追加予定子ども数が1人以上の夫婦)

これらは子育てのニーズに合った政策がないことや、育児しながら労働ができないこと、不安定な就労であることなど、労働環境に問題があることがわかります。

女性の管理職を増やすこと、子育て、教育にかかる支援策の充実が期待でき、家事育児と仕事の両立しやすい環境整備に資するため、子育てをしやすい社会を作るための一助になります。また、会計年度任用職員の待遇を改善することも必要不可欠だと考えます。

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