酒々井町議会基本条例(素案)についての意見募集(パブリックコメント)について
1.はじめに
酒々井町議会基本条例(素案)についてのパブリックコメントが始まっています。
募集期間は、2月22日(月)までです
https://www.town.shisui.chiba.jp/docs/2021011800036/
2.議会基本条例案(素案)について
(1)議会基本条例特別委員会内での議論不足について
現段階で、この議会基本条例案でパブコメを募集することについて、議会基本条例特別委員会では反対意見を出しました。
委員会内での話し合いは、議会をどういう形にするかという理念についての議論はほとんど行われませんでした。条文の作成においても、他の自治体の条例を比較検討し、単に条文を貼り合わせただけで、実際の運用を何も考えておらず、まだ提案するに足りる議論があったとは思えないからです。
条文を引き合いに例を挙げると
・「町民に対して積極的な情報公開を図り(3条2号)」とあるが、HP上での議案の公開についてすら議論をしてない。
・「議員間の自由な討議の場を設けるよう努めること(3条5号)」とあるが、自由討議はしないことは既に決まっている。
・「町民の知る権利を保障し、町民の多様な意見を把握して合議体としての意思決定に反映させるため、広報広聴活動の充実に努めるものとする(8条1項)」とあるが、住民説明会をしないことに決まっている。
自由討議や住民の意見を聞く機会も設けないことを決めているのなら、これら条文は何の意味があるのでしょうか。町民の意見を聞くというのであれば、しっかりと住民説明会をやったり、議会と町民とが対等の立場で意見交換できる制度を設けるべきだと思います。
他にも細かいところをあげればきりがありません。
(2)町民の意見を何も聞いていないことについて
今回の条例案作成にあたり、町民からのヒアリングや意見募集はされませんでした。
委員会では、議会だより特別委員会が、公聴機関になるという意見もありましたが、結局そこは深く議論されずに終わりました。
この条例を作成するにあたり、町民が議会に何を求めているのかをヒアリングし、どうやれば町民の期待に応えられる議会にすることができるのかを真剣に考えることがべきだと思います。
条例に「町民の多様な意見を把握」と記載するのであれば、住民の意見を聞く機会を必要性を感じているのならば、何故、すぐに始めないのでしょうか。
3.意見募集をするための準備が不足していることについて
委員会では、パブコメする前に、条文解説を作成したり、実際の運用について決めるべきだと意見を言いました。しかし、時間がかかるという理由で、検討もされませんでした。
条例が制定されれば、その文言解釈に従った運用がなされます。そこがあやふやなままでは、安定した議会運営は出来ません。
また、意見募集するに当たり、町民から質問を受けても、何も答えられない状況で意見募集することは無責任であり、不誠実であると思います。
議会では、質疑応答や一般質問において、議員が執行部に対して、説明不足や検討不足だと苦言を呈する場面がみられます。それでは、この条例案について、議会はきちんと説明し、しっかりと検討したと言えるのでしょうか。
先ず隗より始めるべきだと思います。
4.おわりに
議会基本条例は、議会にとって大切な条例のはずです。
条例制定は、これから何十年も使われるかもしれない制度制定であり、議会・議員はそれだけの責務を負っているのです。
ところが、議会基本条例の議論では、そういう責任の重さが全く感じられませんでした。
3月議会に提案するというスケジュールありきで、議論を深めずに進んでしまったことについて、正直なところ到底理解できません。
パブリックコメントをされる方は、そういうことも踏まえてご意見を頂ければ幸いです