消費税や社会保障について思うこと

消費税や社会保障について、思うことを徒然と書いてみます。

国の収入をどう考えるかについては、日本経済全体を考える必要があります。

「税制」は歳入手段の一つであるというだけではありません。
経済を左右するツールなのです。

例えば、近年、日本では、法人の積極的な活動を促すために、法人税減税が行われています。
このように税制は、経済政策目的に使われるのです。

そして、消費税などの取引を対象とした税制は、消費を冷やす効果という効果を持ちます。
1997年、2014年、それから2019年と度重なる消費税増税で、日本経済は国内消費が大きく抑制されたため、経済成長する力どんどん失いました。

また、同時に、税制と同じように強制的に徴収される健康保険・介護保険などの社会保険料についても、幾度も値上げが行われています。
社会保障の値上げは、可処分所得(自由に使えるお金)が減少するため、消費を抑制する効果が生じます。

更に言えば、度重なる年金の引き下げにより、将来の不安も増しています。
このため、消費より、貯蓄すべきという意識が働きます。
これも、消費を抑制する効果を生みます。

上記で述べた、消費税、健康保険・介護保険、年金の問題は、いずれも歳出にかかる歳入を確保しようとして、または歳出を減らすことで財政の均衡を取ろうとした結果生じたものです。
その結果、日本経済は、消費を抑制する力が強くなりすぎて、国内需要が低迷し、経済発展が阻害されてきたのです。

税制を歳入の手段としか考えず、また財政均衡を目的としてしまうと、景気が低迷しようが、増税すべきという結論になると思います。
しかし、税制による経済効果に注目すれば、別の選択肢も出てきます。

消費が向上するような税制を取り、経済成長を促し、経済全体のパイを大きくすることで、税収を上げるという選択肢です。

今の日本は、将来に対する希望がありません。
今までやってきた、消費税増税路線は全く効果が無いどころか、かえって害となることは、既に歴史が証明していると思います。
新しい発想により、未来ある社会を提案すべきだと思います。

ここ20年ほど、世界の主要国の中で、日本だけが成長も出来ず、賃金も上がらないという事実を無視することは出来ません。
私は、財政均衡にこだわりすぎことが一番の要因だと考えています。

そもそも、日本は、社会保障・教育については、全く国費投入が足りていませんので、大幅な歳出増になります。

例えば、国民健康保険については、1984年以降の医療費抑制策の影響で、国保の総収入に占める国庫支出金は約50%から、30%程度に減っています。
このため国保が高額すぎて生活を圧迫しています。

また国保は、収入の無い扶養家族にも均等割がかかるため、子どもが多い家庭ほど保険料がかさみ、自営業や低収入の子育て世代が大きな負担を強いられています。

他にも介護保険料も、どんどん保険料が上がっており、更に、要支援を制度から外し、利用料が現行の1割から2割への増額が検討されています。
今でさえ、満足なサービスを受けられないのですから、今後は大幅な国費の投入がなければ、介護保険制度はその機能を失ってしまうと考えられます。

教育についても、子どもの成長に欠かせない給食費の無償化は必須です。
大学の無償化についても、今の低所得者に限定した無償化では無く、社会権規約同規約13条2(b)・(c)の高等教育の漸進的無償化の義務に従って、所得制限の無い無償化にすべきです。

ここに上げたものは、一例に過ぎません。
他にも生活保護費を適切な額へ引き上げることや、低所得者や若者世代へ住宅手当の拡充も必要です。

人へ投資することが経済成長に繋がるということを考えれば、社会保障・教育をもっと充実させるべきです。
そしてその財源としては、経済成長を抑制する増税による愚を犯さずに、先行投資として国債を発行することで対応することも視野に入れるべきと思います。

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